大変な思いをして出産を終えてひと休み…と思いきや、産後はたくさんの手続きが待っていますよね。
今回はそんな産後の手続きを一覧にしました。
産後の手続きってたくさんあるけど、何から始めたらいいんだろう?
後半では、申請先ごとにおすすめな手続きの順番もご紹介します。
例として産休育休を取得する人の手順をご紹介しますね。
産後の手続き一覧
まずは、産後に必要な手続きを一覧でご紹介します。
対象者も記載してあるので、自分に必要な手続きを探してみてください。
対象者 | 申請期間 | 申請先 | |
---|---|---|---|
出生届 | 全員 | 出産日~14日以内 | 市町村役場 |
児童手当金 | 全員 | 出産の翌日~15日以内 | 市町村役場 |
子ども医療費助成 | 全員 | 出産日~1ヶ月健診くらいまで | 市町村役場 |
子どもの健康保険 | 全員 | 出産日~1ヶ月健診くらいまで | 勤務先または市町村役場 |
出産育児一時金 | 全員 | 出産の3,4ヶ月前~産後2年以内 | 勤務先または市町村役場・病院 |
出産手当金 | 会社員 | 産休開始の翌日~2年以内 | 勤務先 |
育児休業給付金 | 会社員 | 育休開始~4ヶ月以内 | 勤務先 |
出生連絡票 | 全員 | だいたい生後7~14日以内 | 保健センターまたは市町村役場 |
医療保険の給付金 | 医療保険に加入している人 | 保険会社による | 保険会社 |
高額療養費 | 医療費が高額になる人 | 診察日の翌月~2年以内 | 勤務先または市町村役場 |
医療費控除 | 医療費が高額になる人 | 翌年の2月中旬~3月末(5年後の確定申告まで) | 税務署 |
未熟児養育医療 | 未熟児を出産した人 | 出産~1ヶ月以内 | 市町村役場 |
勤務先からの祝い金 | 祝い金のある会社で働いている人 | 勤務先による | 勤務先 |
産後すぐに提出できるように、必要なものや申請先などを確認しておくとスムーズ。
出生届
提出期間は、子どもが生まれた日を含めて14日以内。
子どもの出生地・本籍地、または届出人の所在地の市町村役場で届け出ができます。
必要なものは各市町村によって違うので、確認しておくとスムーズです。
- 出生届
- 母子健康手帳
- 印鑑 など
出生届を提出することによって、生まれた子どもが戸籍や住民票に記載されます。
→ 出生届|法務省
出生届は右側が「出生証明書」になっているものが多いと思います。
出生証明書の部分は出産した病院で記入してもらってください。
出生届の用紙は、出産した病院から退院時にもらえることもあります。
入院するときに一緒に持って行くと、産後にそのまま記入してもらえます。
児童手当金
申請期間は、子どもが生まれた日の翌日から15日以内です。
各市町村によって必要なものが違うので確認してみてください。
- 児童手当認定請求書
- 親の健康保険証のコピー
- 振込先の銀行口座がわかるもの
- 両親のマイナンバー確認書類
- 身分証明書
- 印鑑 など
0歳から中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3/31まで)の子どもを育てている人に支給される手当金です。
出生の翌月から支給が始まります。
支給されるタイミングは、6・10・2月で、前月までの4ヶ月分が支給されます。
申請を忘れるとその分の給付金はもらえないので、忘れずに申請したいですね。
子ども医療費助成
子どもが生まれてから1ヶ月健診までくらいに申請しておくことをおすすめします。
子どもの健康保険証が発行されたら、すぐに申請した方が良いですね。
- 子ども医療費助成の申請書
- 子どもの健康保険証のコピー
子どもの病院や薬の費用の一部または全額を助成してもらえる制度。
申請をすると受給券が発行され、それを病院や薬局に毎回提示することで使用できます。
各市町村によって制度の名称も助成される金額も違うので、確認してみてください。
受給券は毎年8月に更新されるところが多く、その時期になると毎年新しい受給券が郵送されてきます。
期限切れの受給券は使用できないので、病院へ行く前に確認しておくと安心です。
受給券はその場ではもらえず、あとから郵送されてきました。
早めの申請がおすすめです。
子どもの健康保険
1ヶ月健診には必要なので、なるべく早めの申請がおすすめです。
親が加入している健康保険に扶養として入るため、申請先は勤務先か市町村役場になります。
旦那さんの勤務先になる場合が多いかもしれませんね。
勤務先や市町村によって違います。
国民健康保険なら、親の健康保険証・マイナンバー確認書類・母子健康手帳など。
申請をすると、子どもの健康保険証がもらえます。
健康保険証は子ども医療費助成を申請するときなどで必要になるので、早めに申請しておくことをおすすめします。
国民健康保険なら出生届と一緒に市町村役場で手続きするとスムーズです。
出産育児一時金
申請期間は、出産の3~4ヶ月前から産後2年以内。
受け取り方によって違います。
直接支払制度を利用する場合は、とくに必要なものはありません。
生まれた子ども1人につき50万円支給されます。
(令和5年4月より、支給額が42万円から50万円に引き上げられました。)
妊娠4ヶ月(85日)以上で出産した人が対象です。
受け取り方は利用する制度によって違うので、下記でご紹介します。
直接支払制度
この制度を利用する場合は、出産した病院で退院時に50万円を差し引いた金額を支払うだけ。
その理由は、出産育児一時金が健康保険組合から病院に直接支払われるためです。
手続きの仕方は、病院で「直接支払制度利用の合意書」を記入するだけです。
私の場合は、赤ちゃんの心拍が確認できたくらいのタイミングで記入しました。
受取代理制度
病院が「直接支払制度」を導入していないとき。
健康保険組合に申請をすれば、直接支払制度と同じように出産育児一時金が直接病院へ支払われます。
ただし、出産予定日まで2ヶ月以内の人のみが対象です。
産後申請
この方法は、出産時に入院・分娩費を全額自分で支払います。
そして、退院後に健康保険組合に出産育児一時金の申請をすることになります。
申請期間は、子どもが生まれた翌日~2年以内です。
出産手当金
申請期限は、産休開始の翌日~2年以内。
- 健康保険出産手当金支給申請書
産休中は無給になるため、健康保険組合から出産手当金が支給されます。
支給の対象は、産前の42日間と産後の56日間を合わせた98日間。
産休前の給料の2/3くらいが支給されることになります。
病院で記入してもらう部分があるため、出産・入院時に持っていくとスムーズです。
育児休業給付金
申請期間は、育休開始~4ヶ月を経過する日の属する月末まで。
例えば、育休開始が7/10の場合。
4ヶ月後は11/9、申請期限は11/30までになります。
- 育児休業給付資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育休を開始終了した日、賃金や支払い状況を証明できるもの(出勤簿など)
- 育児の事実や、出産予定日・出産日が確認できるもの(母子健康手帳の写しなど)
育休中にもらえる給付金で、2ヶ月分を2ヶ月に一度まとめて支給されます。
2ヶ月ごとに毎回申請が必要なので、初回の支給申請も一緒に行うことが多いです。
私のときは、2ヶ月ごとに勤務先から申請書が郵送されてきました。
また、「育児休業給付資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書」の方には、
給付金の振込先に希望している銀行の確認印が必要だったため、銀行の窓口へ行く必要がありました。
出生連絡票
提出期限は市町村によって違いますが、だいたい生後7~14日以内のところが多いと思います。
新生児訪問のために必要なものです。
新生児訪問 とは?
助産師や保健師が自宅を訪問し、赤ちゃんの身体測定や育児相談などをしてくれます。
市町村によって異なり、赤ちゃん訪問やこんにちは赤ちゃん事業などと呼ばれることもあります。
出生連絡票はハガキなので、記入したらそのままポストに投函するだけです。
他にも直接提出をする方法や、電子申請する方法もあります。
出生連絡票は、母子健康手帳と一緒にもらうことが多いと思います。
各市町村によって名称も期限も異なるので、母子健康手帳をもらったら確認してみてください。
医療保険の給付金
自分で加入している民間の医療保険の給付金請求です。
加入している医療保険によって、申請期限や給付対象が異なります。
帝王切開などで保険適用になった場合は給付対象になることが多いので、保険会社に確認してみてください。
私の場合は「吸引分娩」で給付対象だったので、給付金がもらえました。
高額療養費
申請期間は、診察日の翌月~2年以内。
- 健康保険限度療養費支給申請書
毎月1日~月末までの医療費が高額だった場合、自己負担の限度額を超えた分が戻ってきます。
自己負担の限度額は年齢や所得によって変わります。
医療費が高額になることが事前にわかっている場合は、事前の申請がおすすめです。
事前に申請をすることで「限度額適用認定証」をもらうことができ
それを病院で提示することで、支払いが自己負担分だけで済みます。
帝王切開が決まっている人は、事前に限度額適応認定証を発行しておくと安心ですね。
医療費控除
申請時期は、確定申告のタイミング(翌年の2月中旬~3月末)
5年後の確定申告まで有効です。
1年間で支払った医療費が高額だったときに、所得税や住民税の控除が受けられる制度です。
家族の分を合計して申請することができます。
医療費控除の金額の出し方
医療費控除の金額は、次の計算で出すことができます。(上限額は200万円)
「実際に支払った医療費の合計額」-(保険金等で補てんされる金額)-10万
その年の所得金額が200万円未満のときは、所得金額の5%の金額。
対象になる出産費用
対象になる費用はいくつかありますが、その中の出産に関する費用はこちらです。
入院のためのパジャマや洗面用具など身の回りの費用は医療費控除の対象にはなりません。
未熟児養育医療
申請期間は、生まれた日から1ヶ月以内(子どもの退院前まで)。
必要なものは各市町村によって異なります。
- 未熟児養育医療申請書
- 子どもの健康保険証
- マイナンバー確認書類
- 親の身分証明書 など
出生時体重が2000g以下の赤ちゃんや、指定医療機関に入院している赤ちゃんなどが対象で
入院時にかかった自己負担分の金額が助成してもらえます。
申請書を提出して審査に通ると、約1カ月以内に「養育医療券」が送られてきます。
病院でその医療券を見せれば給付が受けられます。
勤務先からの祝い金
勤務先によっては、妊娠や出産を申告すると祝い金がもらえるところもあります。
勤務先によって異なります。
私の場合は、「出生届済証明書」が必要でした。母子健康手帳の最初のページです。
自分から申請しないともらえない場合が多いので、事前に確認しておくと良いですね。
手続きの順番はこれがおすすめ!
産休育休を取得したママ(夫婦共働き)を例に、おすすめの手続きの順番をご紹介します。
私が1人目のとき実際にした手続きの順番です。
産休育休を取得していないママも、「出産手当金」「育児休業給付金」「祝い金」を省けば同じような流れになると思います。
私の場合は、出産の報告を勤務先の人事総務課に連絡しました。
早めに報告することで、その後の手続きがスムーズでした。
産後で身体が辛ければ、旦那さんにやってもらってもいいと思います。
旦那さんの勤務先でやってもらうことが多いかもしれません。
私の場合は「出産手当金」と「育児休業給付金」の申請は勤務先に郵送して申請できました。
各会社によって違うので、事前に確認しておくと安心ですね。
アプリや郵送でもできます。
まとめ
産後にはたくさんの手続きがありました。
人によって必要な手続きは違ってくるので、自分に必要な手続きだけをピックアップしてみてください。
出産前に準備ができる手続きもたくさんあります。
産後はなかなか時間に余裕がないので、早め早めに進めておくとあとが楽になると思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。