子どもと病院へ行ったあとは、調剤薬局で薬をもらいに行く人が多いと思います。
お薬を待つ時間が長くて、子どもと一緒だと大変…。
そこで今回は、元調剤薬局事務の私が「調剤薬局での待ち時間を減らす方法」を3つお話します。
私は約4年間、小児科クリニックの近くにある調剤薬局で事務の仕事をしていました。
また、スムーズに受け取るために注意することもいくつかお伝えします。
薬の待ち時間を減らす方法
調剤薬局での待ち時間を減らす方法は、こちらの3つです。
- 先に処方箋のデータを送っておく
- 他の家族に取りに行ってもらう
- 受付をスムーズに済ませる
それぞれを詳しくお話していきます。
先に処方箋のデータを送っておく
薬を受け取りに行く前に、処方箋のデータだけを先に調剤薬局に送っておくことができます。
そうすることで、薬の準備を進めておいてもらうことができるのです。
先に薬の準備が進んでいれば、調剤薬局での待ち時間を大幅に減らせます。
調剤薬局に処方箋を送る方法はいくつかあります。
- FAXで送る
- スマホアプリで送る
- LINEで送る
お近くの調剤薬局が対応しているかどうか、ぜひ確認してみてください。
FAXで送る
FAXで送る方法は簡単です。
調剤薬局あてにFAXで処方箋を送るだけ
1番簡単な方法ですが、最近はFAXが使用できる家庭が少ないため選ばれなくなってきています。
ですが、今でも調剤薬局ではFAXを使用しているところは多いです。
例えば、病院や他の調剤薬局と処方箋のやりとりをするときに使用したり
スマホアプリから送られた処方箋のデータが調剤薬局のFAXに届いたりします。
調剤薬局で勤務していて、FAXって今もあんなに使うんだなと驚きました。
スマホアプリで送る
スマホアプリなら外出先でも処方箋のデータが送れて便利です。
処方箋のデータを送る方法はこちらも簡単です。
処方箋をスマホで撮ってアプリで送るだけ
病院のあと薬局に向かう前にサッと送ることができます。
スマホアプリはいくつかありますが、電子お薬手帳を兼ねているアプリがおすすめです。
私が利用しているアプリは「EPARK(イーパーク)」。
働いていた調剤薬局にもEPARKからの処方箋がよく届いていました。
EPARKのお薬手帳アプリでは、家族の薬データも一緒に管理することができます。
お薬手帳を何冊も持ち歩く必要がなくなりますね。
LINEで送る
また、最近ではLINEでも処方箋のデータを送ることができる薬局が増えています。
処方箋をスマホで撮ってLINEで送るだけ
スマホアプリと同じで写真を撮るだけなので、病院のあとにサッと送ることができます。
新たに他のアプリをダウンロードしなくて良いのは嬉しいですね。
また、LINEでは処方箋を送る以外にもさまざまな機能があります。
- 薬の用意ができたお知らせ
- 問診票の入力
- 薬についてLINEで相談
- お薬手帳
- 薬の受け取り
登録するLINEアカウントによりますが、薬局に行かなくても薬を受け取ることができるようです。
データが不鮮明だと薬が用意できない?
先に処方箋のデータを送った場合、下記の理由で調剤薬局から連絡があることがあります。
- 写真が不鮮明
- 枚数が足りない
- 有効期限が切れている
処方箋は内容が読めないと正確に薬を用意することが難しくなります。
また、データが全て送られていなかったり、有効期限が切れていたりしても準備ができません。
スマホで処方箋の写真を送るときには、写真からでも内容が読み取れるか1度確認した方が良いですね。
丁寧に撮影して送ることが、後々スムーズな準備に繋がります。
他の家族に取りに行ってもらう
調剤薬局の薬は、実は本人がいなくても受け取ることができます。
例えば、ママと子どもで病院に行き、その後パパが仕事帰りに薬局へ薬を取りに行く…ということもできます。
このときに、ママがあらかじめ処方箋を調剤薬局に渡しておけば、
パパが取りに行くころには薬の準備が終わっていると思います。
この場合、処方箋はスマホでデータを送るのではなく、直接薬局へ行って原本を渡しておく必要があります。
また、子どもの健康保険証やお薬手帳など受付で必要なものも、あらかじめ提示しておくと安心です。
処方箋は原本がないと薬が受け取れないためです。
待ち時間が1~2時間ある調剤薬局の場合は、なかなか待っていられないのでこのような方法もおすすめです。
おばあちゃんが孫の薬を取りに来るなんてことも時々ありました。
受付をスムーズに済ませる
子どもの薬をもらうときは、大人のときよりも受付が少し複雑になることがあります。
そのため、受付で渡すものを把握したり、伝えることを準備しておくとスムーズです。
薬局によって受付の方法はさまざまですが、参考になればと思います。
受付で渡すもの
調剤薬局の受付で渡すものは主にこちらの4つです。
- 処方箋
- お薬手帳
- 健康保険証(マイナンバーカード)
- 子ども医療費助成受給券
処方箋(しょほうせん)
病院のお会計では「領収書」「明細書」「処方箋」という3枚の紙をもらうことが多いと思います。
領収書と明細書は一緒になっているときもありますね。
調剤薬局ではこの中の「処方箋」だけが必要になります。
この処方箋がないと調剤薬局でお薬をもらうことはできません。
処方箋には色々な情報が書いてありますが、どれも薬を用意する上で必要な内容になっています。
処方箋には病名や症状は記載されていません。
そのため、調剤薬局でも改めて説明しなければいけないこともあります。
お薬手帳
お薬手帳には、今飲んでいる薬や今までに飲んできた薬が記録されています。
最近はアプリで管理している人も多いですね。
薬の中には合わせて飲んではいけない相性が悪いものもあります。
そのため、薬剤師が今飲んでいる薬と処方された薬の飲み合わせを確認するためにお薬手帳の情報が必要になるのです。
健康保険証(マイナンバーカード)
健康保険証は自分が加入している健康保険の情報が記してあるカードです。
そして、加入している保険によって私たちが窓口で負担する金額も変わってきます。
病院と同じく調剤薬局でも私たちが加入している保険を把握する必要があるため、健康保険証は必ず必要です。
健康保険証を忘れてしまうと、10割すべてを負担しなければならなくなるため忘れずに持っていきましょう。
もし忘れてしまっても、月末までに健康保険証を持っていけば、返金してもらえることも多いです。
現在はマイナンバーカードを保険証として利用することができるようになりました。
さらに、令和6年12月2日からは健康保険証が新規で発行されなくなる予定になっています。
子ども医療費助成受給券
子ども医療費助成を申請することでもらえる「受給券」が受付では必要になります。
受給券を提示することで、高校生までの子どもが調剤薬局で薬をもらう場合は無料になるところが多いと思います。
各自治体の制度なので、助成される年齢や金額は住んでいる場所によって違います。
子ども医療費助成についてはこちらの記事で詳しくお話しています。
受付で伝えておくこと(聞かれること)
受付で聞かれること・伝えておくとスムーズなことはこちらの6つです。
- 子どもの体重
- 他に飲んでいる薬
- 粉薬や錠剤は飲めるか
- アレルギーはないか
- ジェネリック医薬品にするかどうか
- 質問・相談したいこと
初めての受付のときに書く「問診票」で聞かれることもあります。
子どもの体重
シロップや粉の薬は、子どもの体重によって量が決まります。
そのため、受付や問診票などで子どもの体重を聞かれることがあると思います。
そのため、子どもの体重をすぐに答えられるようにしておくことは、受付がよりスムーズになる方法の1つです。
ママの代わりに来たパパやおばあちゃんが、子どもの体重が分からなくて困っているのをよく見かけました。
他に飲んでいる薬
調剤薬局では、患者さん1人1人が今までにもらった薬を記録しています。
ですが、他の薬局で処方された薬やドラッグストアなどで購入した市販薬のことは伝えなければわかりません。
お薬手帳を忘れたりお薬手帳に載っていない薬を飲んでいる場合には、
きちんと伝えることで、飲み合わせの悪い薬を避けることができます。
粉薬や錠剤は飲めるか
薬にはシロップ・粉・錠剤・カプセルなどさまざまな形状がありますが
子どもによっては、なかなか飲むのが難しい形状もあります。
そんなときは、事前に飲めない形状の薬を伝えておくことをおすすめします。
そうすることで、薬を別の形状に変えてもらえたり、飲みやすくなる方法を教えてもらえたりすることがあるからです。
同じ薬でもシロップや粉などさまざまな形状があるものもあります。
アレルギーはあるか
子どもにアレルギーがある場合は、事前に伝えておく必要があります。
アレルギーによっては組み合わせの悪い薬があるからです。
また、薬によってアレルギー症状が出る人もいます。
そのような経験がある場合は、事前に受付で伝えておくと安心です。
ジェネリック医薬品にするかどうか
ジェネリック医薬品は「後発医薬品」とも呼ばれている薬。
元々の薬(先発医薬品)と同じ有効成分で作られていますが、開発費がかからないため安価なのです。
患者さんの負担を減らし、国の医療費を抑えるため、ほとんどの薬局でジェネリック医薬品を勧めています。
→ ジェネリック医薬品(後発医薬品)について|全国健康保険協会
ジェネリック医薬品には、さらに飲みやすく作られている薬がたくさんあります。
粒を小さくしたり、味を変えたりとさまざまです。
質問・相談したいこと
もし薬剤師さんに相談したいことがあるなら、先に受付で伝えておくとスムーズです。
例えば薬局ではこのような内容をよく耳にしました。
- 薬を嫌がる子どもへの飲ませ方
- 子どもへの目薬のさし方
- 薬の使用期限
- 薬と一緒に食べてはいけない食べ物や飲み物
相談や質問の中には調べる時間が必要な内容もあるため、
薬をもらうタイミングで伝えると少し待たなくてはいけない場合もあります。
薬や病気は常に新しいものが増えているので、薬剤師さんはよく調べ物をしていました。
処方箋の有効期限が切れると受け取れない
処方箋には有効期限があります。
この有効期限が過ぎると薬を受け取ることができないため注意が必要です。
どうしても有効期限内に薬が受け取れないときには、病院に相談して期限を延長してもらえることもあります。
調剤薬局では有効期限を伸ばすことはできません。
病院で再発行してもらうか期限を延長してもらってください。
ちなみに、調剤薬局の営業時間外に処方箋を送ると、次回の営業時間から準備が始まることになります。
処方箋をもらったら薬はなるべく早めに、余裕をもって受け取りに行った方がスムーズです。
受け取りには処方箋の原本が必要!
薬の受け取りには処方箋の原本が必ず必要です。
もし受け取り時に処方箋の原本を忘れると、薬を受け取ることができなくなります。
先に処方箋のデータを送ったのは、あくまでも薬の準備を進めるため。
受け取りは処方箋の原本と交換になります。
せっかく先に薬を準備してもらっても、処方箋を忘れたら意味がなくなってしまいます。
先に処方箋のデータを送っておくのはとても便利な方法ですが、
処方箋の原本を忘れないように気をつけなければいけませんね。
まとめ
調剤薬局での待ち時間を減らすための方法は下記の3つです。
病院が終わったらすぐに処方箋のデータを送り、薬局に着いたらスムーズに受付を済ませる!
これが1番早い方法だと思います。
この2つを忘れると、かなり時間をロスしてしまいます。
子どもを連れての通院は大変ですが、今回の方法を使って少しでも楽に薬が受け取れたらと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。